第1章 熱がある彼氏を攻めたら逆転されて……
「……んん、りんこ…?きてくれたん?こんでいい言うたやん。」
『だって全然会えんかったし…、寂しかったもん。』
りんこは頬を膨らませながらいじけている。
二人が付き合いはじめて一年は経つが、一週間も会えなかったのは初めてでりんこは耐えられず凌に会いに来ていた。
「ふふ、かわええなあ、ほんま。ひさしぶりやね。」
『凌~~!』
りんこは凌に抱きつこうと近寄る。
が
「ああ、だめやって。熱うつるやろ。あんま近寄ったらだめや。」
跳び乗ろうとダイブする直前に凌に制される。
『けち!』
「けちやない。俺も我慢しとるねんで?俺はりんこにちょっとでも熱うつったら嫌やの!やけんりんこも我慢しいや。」
『む-』
りんこは不貞腐れたようにさらに頬を膨らませた。
「んふふ、そんな可愛くいじけてもだめや。りんこは偉いから我慢できるもんな?」
『…ん。』
『凌寝とって。その間に掃除とかしとく。その為に、きたし。』
「ほんま?じゃあお言葉に甘えるわぁ。ありがとね、りんこ。終わっても俺が寝てたら帰っときいや?暗くなる前に帰るんやで?」
『ん、わかった。ほら寝て。早く治して…、』
凌が寝ている間にりんこはてきぱきとやるべき事をこなした。
暇になったようで
『よし、これで全部かな。…やること終わったし…寝とる間ならぎゅ-してもいいよね……』
凌の腕の中にりんこはすっぽり収まった。凌はぐっすり眠っているようで起きる気配はない。
疲れていたのかりんこはそのまま寝てしまった。