第13章 姫さんとネタ集
【継国一家とズッ友コンビ】
ダンッ!!
「ゔっ」
「この度はうちの莫迦息子が迷惑をかけた」
「「………」」
とある静かな茶屋にて。
4人席で幸村と佐助に向かい合って座る親子。
親らしき人物は息子の頭を掴んで強引に頭を下げさせ、息子は頭を強打した。
親子はやたら整った顔で、先程彼らを見た店員は三度見していた。
正直、華音で慣れていなければ自分達も三度見した。
「…息子ってことはつまり貴方が…」
佐助はちらりと隣の席に座る華音を見る。
華音は佐助に応えるようにこっくりと頷いた。
「継国陽臣様です」
幸村が茶を噴き出した。
「つ、継国陽臣って謙信様の…」
「なんだ、虎千代と仲良いのか」
「とらちよ」
戦狂いやら軍神やら、謙信の呼び名はたくさんあるが幼名は一度も聞いたことがない。
「気にしない方がいいですよ。この方信長様相手でも吉法師でした」
「そういうことだ。よろしく弁丸、佐助」
この後ズッ友コンビは陽臣に会ったことが謙信にばれて、いつもより7割増しの勢いで追いかけられる未来が待っている。