第11章 Night 11
沖「…だからまな…」
『……?』
≦まなだけはいなくなるな≧
沖田さんはそう言って口角を少し上げた。
その瞳は真っ直ぐと、
私を捉えて逃がさなかった。
『……お、沖田さん…』
沖「それにまながいなくなったらうるせーのが更にうるさくなるんでね」
『…?』
沖「なんでもねぇでさァ。ままごとに付き合わせて悪かったな」
そう言いながら沖田さんは腰を上げた。
それを見て私も立ち上がった。
そしてそのまま沖田さんとは
さよならをして自分の部屋に戻った。
…あれは、
沖田さんなりの愛情表現だったのかな?
でも…いなくなるな、って
なんだか恥ずかし…
『って、何考えてるの‼︎
別に沖田さんはそーゆー意味で言ったんじゃなくて‼︎』
顔が紅潮していくのを隠すように
早足で部屋に戻って布団に顔をうずめた。
沖田さん、
ありがとう…