• テキストサイズ

[BLEACH] 世界を超えて

第2章 世界反転


 コポ…。

 耳に泡のような音が聞こえた。



 ―…どこ。




 美穂子は少し暖かい何かが自分を包み込む感覚に、意識が浮上するのを感じた。

 身体に重力を感じないような―…まるで、水の中のような。

 開いた瞳の先には―…光が見えた。
 まるで、海の中から見た月明かりのような光が、ぼんやりと見える。

 口を開こうとして、口の中に流れ込む水に驚く。
 目をぱちぱちとすれば、目に違和感。

 ―…どうやら、最初に感じた感覚は正しかったようだ。

 なぜこんなところにいるのだろう、と一瞬考えて美穂子は眉を顰めて首を振って頭上を見上げる。

 先ほど見えた月明かりが見えた。
 こちらもどうやら、夢ではないらしい。


「…っ(とりあえず、ここじゃ息が続かないし―…あがろう)」


 美穂子は足をぐんっと伸ばして一気に上へと進む。
 思いのほか軽く感じるのは、普段からプールで泳いでいるからだろうか。

 美穂子の少ない趣味の一つは泳ぐこと。
 仕事が早く終われば、スポーツジムで100mのプールを何往復も泳いでいた。
 おかげで、なんだかわからない―…ある意味パニック状態でも泳ぐことはできた。

 ぐんぐんと近づいてくる光に、美穂子は一層強く思いながら手を伸ばす。


 あの先に―…何があるのだろうか。

 そんな不安と共に、どこか―…安堵も感じたのは気のせいだろうか。 





 
/ 89ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp