第4章 瀞霊廷の生活
美穂子がいやな気分になるのでないのなら、白哉が給金を支払わない理由などない。
白哉の言葉に、美穂子は少し嬉しそうに口を開いた。
「それは、白哉さんも私の仕事を認めていただいていると思っていいんでしょうか?」
「もちろんだ。十二分に助かっている」
美穂子のおかげでどれだけの書類が滞りなく過ぎていくか。
白哉はすでに美穂子がいない仕事場など、忘れてしまいそうだった。
それくらいの影響力が、美穂子の仕事能力として白哉はかっているのである。
「それはよかった。そういっていただけると、嬉しいです。十番隊のお仕事も白哉さんのご迷惑にならない程度であればお引き受けします」
「―…わかった。そのように、伝えておこう」
白哉はひとつ頷くと、美穂子と共に書庫を後にする。
白哉の頭の中では、十番隊とどういう交渉をしようか考え始めていた。