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わたしは漁火

第5章 5


「あっ…♡ふぅ、ん…」

いつもの崖の洞穴の中に、有羽のなまめかしい声が反響していた。
一糸まとわぬ裸体は汗とイカの粘液でじっとりと濡れ、四肢はイカの足に絡め取られて、あられもない姿勢で固定されている。

「ふぅ…あっ、アッ…♡んん〜……」

有羽のナカに入れられているのは、太ましい触腕ではなく、先の細い1本の足だった。それがナカの浅いところをチュクチュクと撫で回す。甘く柔らかな快感が、さざ波のように有羽を甘やかしていた。

「あ…ん、気持ちいい…♡それ、ずぅっ、と…やって欲しい…」

有羽の懇願にイカはクスリと笑ったようだった。イカの表情などわからないのだが。

くちゅ、ちゅるちゅる♡ちゅく♡
可愛らしい水音が跳ねる。極上のマッサージに、有羽は身も心も委ねていた。

「すごい…すごい、いい…♡あっ、ハァ…もっとぉ…」
「気持ちいいだろ?」
「うん、きもちいい…きもちいぃ…♡」

ねっとりとした愛撫の時間が続く。有羽が望みさえすれば、イカは本当に何時間でもそれを続けるだろう。とはいえそれはさすがに体に悪い。

「水も飲んでおけ」

イカは足を巧みに動かし、有羽があらかじめ持ち込んでおいたペットボトルの水を彼女の口元に運ぶ。

「んっ♡んぅ、おいし」

有羽はゴクゴクと喉を鳴らしながら美味しそうにそれを飲んだ。汗と愛液で大量に水分を放出した体に、冷たい水が染み渡る。とはいえゆるんだ口元からも水がぼたぼたとこぼれていく。顎から首、胸を伝い水が流れ落ちるその姿は、なんとも色気に満ちていた。
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