第8章 クリスマス・イブ
12/24 pm 4:30
銀色のイルミネーションに彩られた夕方の並木道を
たくさんの人々が行き交っていく
誰もが
幸せそうに笑っていた
あのクリスマスの夜から
一年が経った
ただ何となく毎日を過ごしていた響也の前に
ナナは突然現れた
彼女と出会って
響也は人を大切に思う気持ちを知った
響也にとってナナは
神様がくれたGIFTだった
響也は
隣を歩いている彼女の手を取ると
自分の上着のポケットに入れた
顔を上げたナナが
次の瞬間
瞳を輝かせる
つられて空を見ると
雪が降り始めていた
差し伸べた小さな手の上に
真っ白な結晶がフワリと乗った
嬉しそうなナナの頬にそっとキスをして
響也は微笑った
これからも2人は
こんな風に
寄り添って歩いていく…
《 GIFT end. 》