第2章 shopping
食事と片付けが終わり
2人は交代でシャワーを浴びた
響也がバスルームから出ると
ナナは月明かりに照らされたリビングのソファで
膝を抱えていた
「……そろそろ、寝る?」
『…んー……もう少し…ここに居たい…』
「……」
響也はソファに近づき、ナナの隣に座った
「…慣れないトコ行って…疲れたか?」
『全然大丈夫。……すごく…楽しかった…』
「…そっか。……ぁ……隆司の店、どう?…働けそう?」
『ウン。…あんな素敵なお店で働けるなんて嬉しい』
嬉しそうなナナを見て、響也は微笑んだ
不意に
ナナが小さな声で言った
『…嬉しすぎて……なんか、全部夢みたい』
ナナはそう言うと
顔を伏せるようにして膝を抱え込んだ
「………ナナ…………顔、上げてみ…?」
ナナは顔を上げて響也の方を向いた
響也はナナの右頬をつまんで言った
「…痛い?」
『………ウン…』
「…そっか。……良かったな…」
『……へ?』
「…痛いって事は……夢じゃねーって事だろ!」
響也はそう言って、ナナの鼻先を指で上に押した
『……』
固まってるナナを見て響也は吹き出した
「…プ……クスクス…」
『…やっ…何?』
「……だって……クスクス……今の…顔…」
『もー…ヒドイ!響也!』
ナナの振り上げた手を
響也は掴んで引き寄せると
身体を包むようにそっと抱きしめた
「……ナナ……楽しいこと…これからいっぱいしような…」
響也の言葉に
ナナは涙ぐんで頷いた
2人は
今日あった事を色々話しながらゆったりとした時間を過ごした
そして、夜も更けた頃
揃ってベッドに潜り込んだ