第4章 癒し
サトル side
連絡は
いつも僕からだった
映画やドラマ、舞台など
目まぐるしいスケジュールの合間を縫って
短い時間でも彼女の声を聞く事ができれば
それだけで心が満たされた
張り詰めた日々を送る僕にとって
リサの存在は
いつの間にか精神安定剤のようになっていた
実際に会える日は
数週間に一度くらいだった
できるだけ長い時間を2人きりで過ごしたいというリサの希望で
僕達は直接ホテルの部屋で落ち合うようになった
ノックの音でドアを開けると
微笑むリサの姿がある
腕を取って部屋に引き込み
そのまま強く抱き締める
首筋に顔を埋めて大好きな彼女の香りを吸い込むと
ささくれ立った気持ちが柔らかく包まれていくような
不思議な感覚がするのだった