第8章 月下美人【配達員】
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横で眠っているルイスを愛おしく見つめるビクター。
(これでルイスさんは完全に僕のものだ。ルイスさんがαなんてとっくに分かっていたし、自分がΩで本当に良かった。)
(無事に番になれたし、もう他のΩなんて夢中にさせないほどの愛をルイスさんに送ろう。)
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朝起きると横にはビクターが眠っていた。
昨日のことを思い出して恥ずかしくなり、顔が熱くなっていった。
ここはビクターの部屋で、置き手紙を書いて自室に戻った。
ふと、自室には置いた覚えのない花が花瓶に入っていた。
後に分かったその花の名前は_月下美人と言うらしい。
誰が置いたなんて私には分からない、きっとナイチンゲールの悪戯かなにかだろうと気にもしていなかった。
あぁ、明日はビクターの発情期が始まるんだ。
快楽に溺れているのは私の方なのかもしれない。
月下美人…「はかない恋」「秘めた情熱」
「危険な快楽」
(終わり)