第112章 ありがとう。
「ありがとう。
君たちの気持ちは、嬉しかったよ。」
「……何のこと?」
ハンジは、薄々気付きながらも、
エルヴィンに問う。
「分からなくてもいいんだ。
だが、私はもう大丈夫だ。
心配かけたな。」
エルヴィンはそう言うと、
ソファーに横になった。
「……エルヴィン。」
ハンジはエルヴィンが横になっている
ソファーの側に座ると、
「ごめん。余計なことだったよね。」
そう言って、頭を下げた。
「いや。素直にありがたかったよ。」
エルヴィンは横になったまま、
ハンジの頭を軽く叩く。
「それでも、
私はそろそろ決断しようと思う。
そして、エマにも
選択してもらうつもりだ。」
エルヴィンはそう言うと、
ゆっくり目を瞑った。