第108章 特別で、願いが叶う夜
「お前、本当に自分のことは
何にも分からねぇんだな……」
リヴァイは小さく息を吐く。
「そんなことは願うまでもねぇ。
お前の願いなら、とっくに叶ってる。」
リヴァイはそう言うと、
エマを抱きしめる力を強めた。
「俺は、あの時からずっと、
お前に恋したままだ。」
エマは動揺で
言葉が見つからず、口を噤む。
「死ぬまで言うつもりは
なかったが、抑えられねぇもんだな。」
リヴァイはそう言って、エマを離した。
「俺の願いは、
お前がいつまでも幸せでいられること、
それだけだ。」
リヴァイはそう言うと
静かに立ち上がり、梯子を下りて行った。