第17章 友達
「風弥あぁ~!上手だなぁ!よし、では次はこちらにっ!そうだそうだ!よいしょっよいしょっ!おぉ!いいぞっ!あと少し!よくできたなあぁ!!」
槇寿郎は風弥の横で一緒にずりばいをしたり、少し離れたところに行き両手を広げて風弥を呼んで、一生懸命向かってくる風弥を励まし、たどり着けたらこれでもかと言わんばかりに褒めちぎっていた。
声をかけようかと思った3人だったが、その光景があまりにもほほえましかったので声をかけるタイミングを完全に見失ってしまった。
ふと偶然振り返った風弥は、襖の奥の星波と目が合う。
「あうっ!きゃっきゃう!」
突然嬉しそうに別方向に進み始めた風弥を不思議に思い視線を向けた槇寿郎が、襖から覗く3人に気づいた。