第12章 退院
トタトタトタ…
「わぁ!すごく綺麗な簪が付いてます!」
遠くの方から星波の嬉しそうな声が聞こえてきて、満足気に笑う不死川。
にやにやと不死川を見る槇寿郎、杏寿郎、千寿郎。
トタトタトタ…
「実弥さん!ありがとうございます!濃藍に金箔…まるで私の瞳ですね!わぁ嬉しいっ…紐はいくつか持っていたけど、簪は初めてなのでなんだかドキドキしますっっ」
「…!?」
(気づいてないだとォ!?)
(気づいていないな)
(星波…そんなところも愛いっ…)
(気づいていないんですね)
男4人がなんとも言えない表情で頷き合う。
「ふえぇーん、ふえぇぇん…」
「あ、風弥!お乳かな?今行きますね~」
パタパタと星波が部屋を後にする。