第59章 終わらないドミナント【渋谷事変/堅白】
――とある一般家庭のリビング。
テレビでは、建物による明かりの一切ない東京都心の映像が流れていた。
テロップには、『都心で異常現象? 次々と被害が広がる』と書かれており、窓ガラスが割れ、倒壊した建造物や瓦礫の山をカメラが映し出される。
『えぇ~、繰り返しお伝えしています。依然として停電が続いておりますが、どことも連絡がとれず、また なんら発表もないため原因不明のままです。これがいつまで続くのか……』
不意に爆発音が響き、安全のためのヘルメットを被ったリポーターが『ん?』と音のする方を振り返った。リポーターの視線を追いかけ、カメラが移動する。
次の瞬間 ノイズ音が走り、動いたカメラが大量の血痕を画面に捉えた。
『何⁉ なんだよ⁉ おい‼』
――アァァアァァァァァ……。
地の底から聞こえそうなほど低い唸り声。
『うわぁ⁉』
それを最後に、ピー…とカラフルな放送停止の画面に映し出され、間もなくして『しばらくお待ち下さい』の映像へ切り替わり、穏やかなクラシック曲が流れ始める。
「え……何これ?」
「映画?」
――ドゴォォォォォォッ‼︎
突如 壁を突き破って巨大な呪霊が侵入し、明るいリビングが血に染まった。