シロイ、ヒカリ / Hunter×HUNTER カイト夢/
第20章 アタラシイ、ヒカリ
ー 3年後。
「…うー」
「なぁに?」
シーツを干していた私に、白い花が差し出された。
「わ、キレイね。ありがとう。
花瓶に飾ろうか」
「んむ」
とてとてと、家に向かって走る小さな身体。
と、すてん、と木の根につまづいて転ぶ。
「あったー」
ぶつけたおでこを押さえて泣きそうになる子どもを、大きな影がヒョイっと抱き上げた。
「だいじょうぶかいナハハハ」
「…うむぅ」
ちちんぷいぷい、とやっているスティックの後ろから、もう一つ影が現れる。
「あんた、ちゃんと見てなさいよ。
こどもって、すーぐ転んじゃうんだからさ」
「アイアイさーヤハハハ!」
やれやれ、と呟くスピンにおんぶされて、すうすうと眠るこども。
私は洗濯物を干し終えると、2人に近づいた。
「2人とも、ありがとう。
終わったから、お茶にするね」
「んにしても、早いもんねー…」
外のテーブルでお茶を飲みながら、スピンが言った。
「あっという間に大きくなっちゃうってわかってるけどさ。
…ほんと、似てるわ」
2人の子どもを眺めながら呟く。
白い髪の女の子と、
赤い髪の…男の子。
双子の、カイトの子どもたち。
「…不思議なんだよね。
私は栗毛なのに、どうして赤毛なんだろ」
私の言葉に、なぜかスピンの動きが止まった。
スティックと目を合わせて、こちらを見る。
「…あのね、ケイ」
「なあに?」
真剣な顔の2人を見つめる。
嬉しそうな、でも複雑な顔をして、言いよどんでいたスピンがゆっくりと口を開いた。
「あの、さ……」