第3章 酔った勢い
桜雪は産屋敷耀哉から呼び出された。
『はぁ?何をいってるんですか?嫌ですよ。』
『桜雪はそう言うと思っていた。それでも私はお願いをしたいんだ。』
『知りませんよ。稀血で生まれてそれを利用して戦って強くなろうとしない奴のことなんて。』
桜雪は冷たく言い放つ。
『それを桜雪が教えてあげたらいいんじゃないかな?』
産屋敷は折れない。
『嫌です。あたしはそこそこ強くなってきていると思ってます。そうすると、アイツの血に酩酊する事は確実です。そんな事が分かっているのにあたしにそれを命じるんですか?御館様は鬼ですか?』
桜雪も折れない。
『桜雪は…実弥のことが嫌いなのかな?』
『………嫌いです。』
『だったら仲良くなればいいんじゃないかな?』
『……分かりましたよ…』
桜雪は産屋敷の命によって実弥と合同任務が増える事になった。
理由としては実弥の周りに鬼が集中して十二鬼月が接触してくる可能性があるからということらしい。
『っていう事らしいよ。』
『だからってなんでお前なんだよっ!!』
『知らねぇよっ!!あたしが知りたいわっ!!良いから早く、倒せやっ!!血に頼らんと頸を斬る事すら出来んのかっ!!』
『うるせェっ!!血に頼らねェでも頸くらい斬れるわァっ!!』
桜雪と実弥は喧嘩しながら鬼に向かっていく。