第2章 桜
『そ、そんな...!』
戸惑っている様子だがそんなのはスグに慣れてしまう。
だってこれからずっと一緒に過ごすのだから。
「すぐに慣れるさ。これから悟って呼ぶ方が長くなるんだからさ!ほら、呼んでごらん?」
そう言って試しに呼んでみるよう促す。
『...................................さ、とる..............』
すると物凄く小さな声で恥ずかしそうに俯きながら僕の名前を呼んだ。
「声、ちっさ!」
大袈裟に笑ってやったが、上出来だ。
「さ、帰ろうか、姫君。僕らの居場所へ。」
手を差し出しながら言う。
その手を小さな手が握り共に歩き出した。
また新たな道を進む為に。