第5章 近寄らずにはいられない
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ガチャ
「戻りました。」
カタカタカタ
「お疲れ」
コッコッコ···。
(織田作先生もフェージャも原稿くれたからひとまず安心だな)
「·····っ」
扉の向こうにいる。
お互いに認めたふたり
「···(俺では···)ダメなのか?」
くるっ
「国木田さん?」
はっ
「なんでもない!」
「·····私は澁澤先生の担当になりましたが。この武装出版社の一員ですよ···そんな悲しそうな顔をしないでください」
「悲しい顔などしておらん。····天音····質問いいか?」
「はい!」
「···俺は··好いてはいけない人を好いた。その人には愛がいた。俺は諦めた方がいいか?」
「国木田さんは···」
「····天音····?(手が近づく)」
「·······」
すっ
ガチャ
「天音ーー。疲れた」
びく。
「先生?!」
ぴくっ
「何か嫌な場面見てる感じ」
「原稿の報告していただけですよ!」
「·····本当かい?」
カチャ
「本当です。織田作先生とフョードル先生の原稿の確認しておりました」
「天音··先に帰りなさい」
「!?仕事の途中ですよ···。」
「ならば、隣の部屋にいなさい」