第10章 初任務 那田蜘蛛山
義勇は目にも止まらぬ速さで向かっていった。
終わった
今度こそ、愛は空を仰ぐようにドサリと倒れ込んだ。
あー、終わった
わたしのやることは終わりだ
悔しい、悔しいなぁ
そっちに行きたかった
でも、全然足りなかった
ちょっとでもわたしは強いかと思った
特別だと思った
だって、炎柱の継子だよ?
でも、そんなことなかった
わたしは全然特別じゃないし、全然才能もない
先を、未来を知っているのに、何の役にも立たないじゃない
こんな弱い奴の言葉なんて誰も聞いてくれないよ
悔しい…
もっと、強くなりたい
愛は目から熱い涙が出てくるのを拭う気力もなく、そのまま気を失った。