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夢見る乙女の鎖

第2章 第一章




今日も今日とて何も変わらない

平和な日々


私の名前は篠原
情報保管課に務めている三等捜査官である。


情報保管課は私しか居ない
いや、私にしか出来ないと言った方が良いのだろうか


本来各部署が喰種殲滅の情報、聞き込みの情報、過去の情報を
各々が保管するのだが。


人間の記憶力はそうできているわけもなく

探そうにも記憶がなければどれに手を付ければいいのか
分からなくなる。


そこで情報保管課である私の出番



私は今までの喰種の情報、それ以外の情報も全て頭に入っている

ファイルだって自分の身体の一部のように
何の情報がどのファイルに入ってるかなんて当てるのは朝飯前


しかし私は捜査官として入ったはずなのに



「どうしてこんな事してるのかしら…」



その成果階級は未だに三等捜査官…
私が捜査官として入ったのは3年前、そうなんの実績も取れないまま
21歳になってしまった。



「はぁ〜、やめやめ

私のやる事をするまでよ…うん、」



なんだか惨めな気分


同僚は今も尚戦って、散って逝ってると言うのに…

一人でいるとナイーブになってしまう
どんよりとした空気を身にまといながら仕事をしていると

ドアのノック音が聞こえる

私はドアの前まで行きドアノブに手をかけた瞬間
急にドアが引かれ勢いのまま飛び出してしまった


「っ、」


「おっと、すみません」



「…また貴方?」



右耳に髪をかけ黒いサラサラの髪
真っ黒なスーツを身に纏い


嘘くさい笑みを貼り付けてる此奴



「いやァ実はちょ〜っとお借りしたい資料がありまして」


私はこいつが苦手だ

でも仮にも上司下手な事は出来ない


「なんでしょうか。」



「キジマ准特等に梟討伐時の情報書類を持ってきて欲しいと
頼まれまして、ありますかね?」



「嗚呼それならありますよ。

ちょっとそこでお待ちを」


敢えて「そこで」と言う単語を強調し

ドア前で待たさせる

ファイルを漁りながら
(こいつとこの狭い部屋で2人きりになったら
何されるか分かったもんじゃない)と、汗をひとつ流す
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