第5章 コラボ企画 鬼滅夢 『泡沫に蓮の華』
鬼滅の刃 継国巌勝
想い人に告白を題材に短編。
『泡沫に蓮の華』
彼女と初めて会ったのはこの湖一面に蓮の華が咲いた頃だった。
俺は弟の様な人格者ではない。
もともと武道をしていたとはいえ、相手が生身の『人間』から『鬼』という化け物に変わったことで、殊更に容赦が無くなった。
そして、弟が『日の呼吸』を使うのに対し、俺が使うのは『月の呼吸』。
何をしても、弟には届かない。
これほどの屈辱があるだろうか。
俺程度の実力でも鬼殺隊の柱になり、屋敷を与えられたが、俺は道場で木刀を振るうよりも、静かな場所で鍛練をする方が性に合っている。
ここに来たのも、要は気まぐれだった。