第15章 高嶺の藤に手を伸ばす$ 炭治郎裏夢
「あ。じゃあ、冨岡さんの柱稽古の前の日と当日のアレは冨岡さんが何処か体を痛めていたってことですよね?」
柱稽古の前の日と当日?
炭治郎に言われて記憶を辿ろうとする那岐。
確か、柱稽古の前日に炭治郎君に冨岡さんの屋敷まで送ってもらって。
夜遅いからと泊めたのは覚えている。
あの日は確か……
夕食中から冨岡さんに体を触られて、炭治郎君が外から薪をくべてくれて、冨岡さんと二人でお風呂で……
え、見られてた…?
待って?
柱稽古の当日ってアレよね?
普段より薄い夜着を着て、冨岡さんの部屋で………
……どこから見られていたのかしら?
那岐は冷や汗が止まらなくなった。
「あ、えっと…冨岡さんとは…///」
「冨岡さんよりは、まだ弱いですけど、俺絶対那岐さんを泣かせたりしませんから!だから…」
「炭、治郎君…?」
「俺、貴方が……」
俺は彼女を腕の中に閉じ込めるようにぎゅっと抱き締めた。
「ありがとう…炭治郎君。でもね、私は君の気持ちには……」