第14章 貴方と共に$(煉獄裏夢)
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「………ん」
どうやら、煉獄の部屋に運びこまれたらしい。
「おぉ、気がついたか?」
「杏寿郎様?」
ようやく意識が浮上した那岐は視線を彷徨わせながら状況を理解しようとする。
「しかし、鬼も逆上せるのだな!」
「すみません、ご迷惑を…」
寝かせられていた布団から起き上がろうと身を捩るも…
「無理に起きようとしなくていい…」
煉獄に制されてしまう。
「ですが…」
「このままでいい。というか、このままでいてほしい」
「ええと?」
「すまない。先程から君を見ていて収まりがつかなくなってしまった…」
収まり?
というか、何か手に当たって…
「……このまま、抱きたいのだが……いいか?」
いいかも何も、この手に触れている温もりに、私も期待している。