第12章 空蝉の頃$(不死川&煉獄裏)
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「おい、那岐。行くぞ?」
「はい…」
不死川に手を引かれる彼女を煉獄が引き止める。
「待て不死川!今日はまだ俺が藤姫殿と…」
「意外と早くカタが付いたからなァ、迎えに来てやったんだよ。ついでに治療してくれよなァ?」
不死川が耳元で囁くので、彼女顔は見みるみる真っ赤に染まっていく。
「藤姫殿?」
「杏寿郎様、ありがとうございます。私…」
「行かないでくれ…」
煉獄に握られた手を那岐は自ら離した。
「私にもやらなければならないことがありますから…」
切な気に笑う彼女は…不死川の手を取った。