第13章 新居と継子たち
列車での下限ノ壱との戦闘、突如姿を現した猗窩座との激戦の後、杏寿郎の指示通りに藤の花の家紋の家で世話になり、翌日の朝には蝶屋敷でしのぶに全員が診断をしてもらった。
そして全員が体に異常なしと診断されたがその後に更紗は別室に呼び出され、しのぶから静かにお叱りを受けた。
お叱り……と言うよりも鎹鴉から先にもたらされた報告を聞き、どれほど心配したかを泣きそうな顔で懇々と言われ怒鳴られるよりも更紗の心に堪えた。
ただただ更紗は平謝りで、どうにかしのぶを落ち着かせることが出来たものの帰り際に造血薬の小瓶を渡す代わりにと指切りをさせられた。
『無茶をしない、どのような任務でも必ず生きて帰ってくるように』
と。
その言葉に更紗は申し訳なさや、無事を祈ってくれるしのぶへの感謝で涙を流しながら杏寿郎たちと蝶屋敷を後にした。
そして現在、更紗と杏寿郎は任務完遂、新居への移動、継子たちの報告を行うため、煉獄家の当主の部屋で槇寿郎と向かい合って座っている。
と言っても、帰ったと同時に既に熱烈な抱擁を槇寿郎から受けたので、実質は新居への移動の報告と、煉獄家に共にやって来た炭治郎たちの説明だけだ。