第6章 柱合会議とお食事会
柱合会議が始まる時間まで3人は楽しく時間を過ごし、蜜璃の勧めによって更紗のしのぶの呼び方が胡蝶様からしのぶさんへと更新された。
これから私用で会う時は3人はお友達ね!
と蜜璃が言ってくれたことが嬉しくて、今は杏寿郎が会議を終えるまで1人でお屋敷で待機だが、更紗は寂しいとは思わなかった。
きちんと4人分の菓子も手に入れ、今は庭を探索して待ち人を待つばかりだ。
杏寿郎が会議を終えて更紗の元に姿を現したのは、夕刻になってからだった。
今日は色々あって疲れているだろうからと、帰りは抱きかかえて煉獄家がある町まで更紗を運んでいた。
町に到着すると更紗を下ろし、2人でゆっくり暗くなった夜道を歩く。
「私、杏寿郎さんと出逢えて本当に幸せです」
突然の囁きに杏寿郎は僅かに目を丸くするも、すぐ笑顔になり更紗の手を握る。
「俺もだ。更紗がそばにいてくれてから、俺にとっていいことずくめだ」
2人は寄り添い微笑みあって家の門をくぐる。
その様子をただならぬ表情で陰から伺う存在に、2人は気付けずにいた。