第21章 秘密と葛藤
圭太の言葉に全員が……杏寿郎までもが目を見開き驚いている。
「え?そんな変なこと言った?……月神は……煉獄さんもだけど、俺の命の恩人なんだよ。そんな人に稽古つけて貰えるなら願ったり叶ったりじゃない……のか?」
その気持ちは更紗にも炭治郎も十分理解出来た。
更紗は忌まわしいあの屋敷から杏寿郎に救い出してもらい、命まで助けてもらった。
炭治郎にしても、列車での任務の際に杏寿郎に助けられ、その強さに惹かれたのだ。
「私も杏寿郎君に助けていただき、更には継子に迎えてもらいました。なので圭太さんの気持ちはすごく分かります。でも、私でいいのですか?柱になったと言えど末席ですし……」
自信なさげに眉を下げる更紗の頭に心地よい刺激が与えられ、それを確認しようと隣りを見ると、やはり杏寿郎が穏やかな笑みで頭を撫でてくれていた。
「謙遜する必要はない。力のない者に柱の称号は決して与えられないのだからな。それに君の人柄は多くの人を惹きつける。石清水少年のように、君に教えを請いたいと思う者も多くいると思うぞ?かく言う俺も、自分が一般剣士であったならば更紗にぜひとも教えを請いたいと思う!」