第7章 見えない影で……
矛盾はしていない。
なぜなら、その〝とある人物〟は姿、声、性別すらバラバラなのだから…
しかし共通しているものだけはあった。
それは…必ず軟骨にピアスがあった。
それは偶然なのか…旗また必然なのだろうか…
〝彼〟の怪しく微笑む姿はまるで悪魔のように美しかった。
「人間は脆い脆すぎる。少し手を加えただけで直ぐにその命を絶ってしまう。」
「しかし、私が思っている以上に人間は欲深くそして面白い。見ていて飽きない。」
「なぁ、そう思わないか?ヴェネット。」
『残念だが俺は人間だよ。べストール』
「あぁ…そうだったなヴェネットはまだまだ赤ん坊だったな。」
暗い暗い森の中…2人の話し声がやけに響く。
燃える血のような瞳色が暗闇に浮かんでいた。