第2章 第2話 刀剣男子
翌日、何度か鍛刀して新たな短刀達が仲間に加わった。
秋田藤四郎、前田藤四郎、五虎退、小夜左文字の四人。
藤四郎兄弟と呼ばれているらしく薬研の回りを弟達が取り囲む。
「「「薬研兄さん」」」
「薬研が長兄なのか?」
薬研「いや、俺っちがコイツらより少し早かっただけで、一番上は一期一振って言う太刀だ」
「太刀か…資材もギリギリだし、すぐには無理だろうがちゃんとお前達の長兄を探し出そうな?」
「「「はい‼️」」」
「ところでそこの」
「僕は小夜左文字、あなたは誰かに復讐を望むの?」
「随分、物騒だなぁ。どうした?」
小夜と目線を合わせるため、屈む。
小夜「僕は復讐の為に作られたから」
「復讐か、因果なもんだな。小夜はこの短刀達みたいに兄弟はいるのか?」
小夜「江雪兄様と宗三兄様」
「そうか。なあ小夜、復讐は自分個人の我が儘みたいなもんだ。小夜はお前の兄二人にも誰かの復讐を手伝わせたいのか?」
小夜「違う…」
小夜がホロリと涙を流す。小夜を抱き抱えてぽん、ぽんと赤子をあやすように背中を軽く叩いてやる。
「そうだよなぁ、違うよなぁ。悪かったな。でも、そこで違うと気付けるなら小夜は大丈夫だ」
この刀は人間よりも堕ちてはいない。
「私もジジイは好きだが、親父は好かんしな」
あの男は私欲で動く。
「さて、取り敢えず資材調達だ。お前達に出陣してもらうぞ。隊長は山姥切国広、副隊長は薬研藤四郎だ。私の許可なく誰一人折れることは許さん!」
いざ、出陣!
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「さて、一度戻るか」
こんのすけ「#千歳#様、何処にいらっしゃいますか?」
「こんのすけ、どうした?」
こんのすけ「急に居なくなられては困ります。#千歳#様にはこちらから戦陣への指示を出していただきます!」
「指示?」
こんのすけ「敵の本隊より有利な陣営で迎え撃つのです!」
「それは、各々に任せる」