第28章 第28話 泡沫(うたかた)@
@@@
千歳の本丸。
堀川「お帰りなさい、主さん」
大倶利伽羅「帰ったのか」
三日月「よく帰ったな、主」
翡翠&瑠璃「かあさまー」
千歳「………」
まんば「大丈夫だ、皆アンタを待ってたんだ」
千歳「……えっと、待たせてごめんね?」
我が子をはじめ、短刀達にも囲まれる主。
わらわら。
千歳「……えっと、ごめん。順番に名前を教えてくれるか?」
翡翠「かあさま?」
主の困った様子にその場にいた全員が顔を見合わせる。
山姥切「何を言っている。俺とお前の子だ。こっちにいるのが翡翠、俺に似ているだろう?もう一人は瑠璃。そっちはお前似だ」
千歳「翡翠に瑠璃か。綺麗な宝石の名前だな」
瑠璃「かあさま、どうしたの?」
千歳「うん、ごめんな」
双子を抱き締める彼女の頭を山姥切が撫でてやる。
温かい。
日溜まりのような優しい匂い。
千歳「国、広?」
どちらの国広が私の国広だ?
分からない、分からない、分からない。
翡翠「かあさま、どこか痛いの?」
この時、流れた涙が私の記憶の最後の一欠片だったかもしれない。
終了!!