第27章 第27話 逃避行(とうひこう)@
千歳「ちょーぎ?」
ちょーぎ「寄るな、俺をそんな目を見るな!梓っ!!」
いきなり突き飛ばされる。
千歳「梓?」
まんば「俺たちの主の名だ。横顔がアンタに少し似てる」
すっ。
脱ぎ散らかせられていた着物を着せてくれる。
千歳「あ、の…」
まんば「アンタにはすまなかったと思っている」
キュッ。
帯が絞め直される。
まんば「俺が送って行こう。アンタの本丸は?」
千歳「うぇっ?」
まさか、出してくれるとは思わなかった。
まんば「どうした?」
千歳「あ、いや、どうやって連れてこられたか分からなくて…」
まんば「そうか…とりあえず、万屋街に行くぞ」
すっ。
自然に手を取られ、ドキリとする。
千歳「ちょーぎはあのままでいいのか?」
まんば「ああなると、しばらく混乱するんだ。逃げるなら今しかないぞ?」
千歳「そうか」