第25章 第25話 奈落(ならく)@
翡翠「うん、一期お兄ちゃんにお股じんじん治してもらったの」
千歳「翡翠…?今、何て…?」
一期「私が手解き致しました」
パシンッ。
一期一振の頬を叩く。
千歳「この、痴れ者がっ!私の娘に…」
一期「あなたも懲りない方ですね」
ガシッ、ドンッ。
両手首を捕まれ、壁際に追い込まれる。
チュッ。
一期一振の唇が私のそれと重なる。
舌を差し入れられ、何かの錠剤が喉へと送り込まれる。
十中八九、媚薬の類いだろう。
それを飲み込み、一期一振の舌を噛む。
一期「っ…!」
思いがけない反撃にあったためか、一期一振が私を睨む。
千歳「翡翠、走りなさい。振り向かないで」
ぐっ。
腰に挿していた短刀の夢路を抜き、一期一振の脇腹を抉る。
ボタッ。
傷口から血が滴る。
一期「少し、以外でした」
千歳「嘗められては困る。これでも極道なんでね」
ぐっ。
突き刺した刃の向きを変える。
一期「っ…」
ドクン。
媚薬の効果か、視界が歪む。
短刀を支えに全体重を乗せる。
ぎりっ。