第25章 第25話 奈落(ならく)@
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瑠璃「とおさまー」
山姥切「瑠璃、どうやって帰って来たんだ?」
瑠璃「どうしよう。かあさまが、いなくなった。翡翠も居ないの」
うわーんと声を上げて泣く瑠璃を山姥切は抱き締めた。
山姥切「泣くな、瑠璃」
彼女のお陰で瑠璃は帰って来たのだ。
後は翡翠と彼女をどう取り返すか。
山姥切「瑠璃、何か覚えていることがあれば教えてくれ」
瑠璃「ごめんなさい。ずっと目隠ししてたから何も見てないの。翡翠とかあさまどこにいるのか分からない」
山姥切「そうか」
瑠璃「ごめんなさい、ごめんなさい」
泣き続ける瑠璃を抱き締め、あやす様に頭を撫でる。
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手入れ部屋にいても主が居なくては回復しない。
実際、この傷をつけたのは主なのだが…
薬研「割りと深いな…一応止血はするが、大将が居ないと手当も出来ない」
山姥切「……問題ない」
薬研「あまり、無茶はするなよ?」
山姥切「ああ、瑠璃を頼む」
薬研「分かった」