第23章 第23話 蜘蛛の糸@
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一期「主殿」
背後から声をかけられ、身体が硬直する。
山姥切「一期一振」
一期「翡翠殿達から聞きました、お加減いかがですか?」
千歳「ああ、少し寝不足なだけだ。わざわざ済まない」
声が震えない様に必死で振り絞る。
全身から血の気が引いていく。
指先の震えに気付かれないように自室に下がる。
パタン
千歳「……ふー」
額から冷や汗が溢れ出す。
声をかけられただけなのに。
トントン。
千歳「……っ」
薬研「大将ー、様子見に来たぜ?」
千歳「薬研…」
薬研「うわっ、どうしたんだ?顔真っ青じゃねぇか。ん?」
すんすんと薬研が千歳の首筋の辺りの匂いを嗅ぐ。
薬研「大将、一兄と何かあったか?」
千歳「え?」
薬研「あー、その様子じゃ一兄からふっかけられたな?」
千歳「薬研…」
薬研「大丈夫だ。誰にも言いやしねぇよ、しっかしあの一兄がなぁ…大将、しばらく近侍は山姥切の旦那か俺に任せな。見張ってやるから」
千歳「………スマン。助かる」