第1章 協奏曲 ─concerto─
【智side】
「ほら、お風呂行くよ!」
「えーっ…まだ翔ちゃんのせーし、感じてたい」
「っ…バカなこと言ってないで、腹痛くなったら大変でしょ!」
せっかく久々にナマでやったからさ
翔ちゃんの、もっと感じてたかったのに…
翔ちゃんの、ケチ!
頬を膨らませた俺を、翔ちゃんは強引にベッドから降ろした。
「お腹痛くなったら、明日のおはようエッチ、出来ないでしょ?」
「え…おはようエッチ、あるの!?」
「まぁ…たまには、ね」
「なら、入るっ!」
「はははっ…素直だな」
手を繋いで、屋上のジャグジーとは別の、部屋に備え付けの風呂へと向かう。
でもさ
俺、実はまだちょっと足りないんだよね…
だって翔ちゃんは2回だけど、俺はまだ1回しかイッてないわけじゃん?
だからさ…むふふ♡
「うわーっ!すごいっ!」
どうやって2回戦目に突入してやろうかと、頭の中でシミュレーションしながら風呂のドアを開けると。
真っ先に、風呂に浮かべられた真っ赤なバラの花びらが、目に飛び込んできた。
お風呂場には、バラのスゴく良い匂いが充満してる。
「どう?気に入った?」
「うん!なんか、すごいロマンチック!ありがとー翔ちゃんっ!」
少し大袈裟に喜びながら、その腕の中に飛び込むと。
俺をぎゅっと抱き締めてくれた。
「まぁ、せっかくの記念日だしね。たまにはこういうのも、ムードあっていいでしょ」
なんて、素っ気ない風を装って言ったけど。
顔、崩れてるし…
照れてんの、バレバレだぞ?
でも、そんなとこも可愛いけど♡
「じゃあ、さっさと洗ってゆっくりお風呂入ろうか?」
「うんっ!」