【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第4章 偽物ではなかったと安堵した僕は本物を見極められなかった
「──…ハッ!」
上半身を勢いよく飛び起きたのは、汗だらけの孤爪。顔の額や頬には汗が出ていて、汗ばんだ体はパジャマとくっついていて、少し不快感を覚える。
息を上下に動かし、整わせながらも、すぐ隣を見る。
隣には、昨日の体制と少しも変わらない#れいか#が、窓から入る太陽の光に照らされていた。
「消えて、ない……」
汗だらけの手で、#れいか#の腕に触れる。
先程までの出来事がが、まとわりついたようにぐるぐると頭の中で駆ける。
心臓がドクドクとなって、落ち着けない。
「──…夢……か……」
徐々に戻ってくる意識が、酷く安心させた。モノクロのように見えた太陽の光も、ちゃんと見えてホッと息をついた。
ゆさゆさと#れいか#を揺らし、#れいか#を起こす。目を擦りながらおきた#れいか#に、孤爪は優しく微笑みながらおはよう、と挨拶しながらきつく抱き締める。汗ばんだ体は、先程より涼しく思えた。
いつもよりキツく抱き締める孤爪に#れいか#は抱き締め返す。
少しの胸騒ぎを無視し、確認と安堵で弧爪はまたキツく抱き締めた。
***
朝ご飯を一緒に食べ、青のTシャツを着た孤爪と、昨日と同じ服を着ても尚飽きずに可愛い、と思わせられる#れいか#は特別な魅力があるとしか思えなかった。
「#れいか#ちゃん、研磨。ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」
孤爪は#れいか#の腕に絡まり、#れいか#はお笑いのテレビを見ていた。孤爪も#れいか#も、画面の中では笑い溢れている画面を、じっと真顔で見ていた。そんな二人を誘ったのは弧爪の母であった。ニコニコと笑い、二人を手招く。
#れいか#が立ち上がろうとすると、孤爪は組んでいた腕をやめ、手を繋ぎ始める。そんな二人の姿に、弧爪母は可愛い、と内心暴れていた。
「お母さん、なに?」
手をぎゅっと繋ぎながら、孤爪は母に問い掛ける。あまり手伝いごとを頼むことが少ない母に、孤爪は疑問を思いながら母を見た。
「今からアップルパイをつくるの。それを手伝って欲しくてね?きっと二人も大好きになるよ!」
「『アップルパイ……?』」
二人同じように首を傾ける#れいか#と弧爪に弧爪母は説明する。