第1章 離さない
リョウ
ここの家庭教師になって三か月目、、
俺が初めてレイを見たとき一目惚れしてしまった。
隣で熱心に勉強している俺のかわいいかわいい生徒。
まるで天使を擬人化させてみたような容姿だ。
『せんせ、、?問題解き終わったよ、?』
横顔に見とれていたら、声を掛けられはっと我に返る。
先生ってちゃんと言わない所とか、最後疑問形になる言葉遣いとかすっげえかわいい。
「ああ、ごめん。ぼーっとしてた、、採点するから少し待ってろ」
冷たい返しをしてしまう自分に少し腹が立ってしまうが、それでも軽く返事をしてニコニコして採点が終わるのを待つレイのことがとても愛おしく思う。
『ねぇねぇ、先生って好きな人いるの、???』
丸つけ中に他愛のない会話をするのが恒例となっている。
いきなり聞かれて驚いたが、いない と愛想のない返事をすると、
『 へぇ、、そうなんだ、、。僕はね、
好きな人いるよ 』
何かが壊れそうなぐらいショックな出来事だった。