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蒼き龍の逝きる意味

第4章 無限列車編


<NOside>

焰「あー……、周りが暗くなってきた…………。」

段々覇気のなくなっていく焰を煉獄、炭治郎、伊之助が
囲んで見守っていた。

煉獄「どうしても、生きてはくれないのか………。」

焰「良かっただろ、良い噂の無い奴が死んで。」

煉獄「それはっ………。」

煉獄は火神焰という少年…いや少女のことを知らない。
ただ風の噂を頼りに知った気でいただけだ。

炭治郎「煉獄さん………、焰さんは誰よりも周りを見て、
状況を把握して判断していました。」

ポツポツと語る炭治郎。

焰が周りを見てもいなかったのは状況を把握するため
周囲を見て回っていただけということ、

味方を見捨てて逃げたと言われていたのは
何も言わずに鬼を追い掛けていなくなるからだということ、

一般人を見捨てたと言われているのは
鬼を追い込み、一般人を逃がしていたからということ。

焰「…………どっから見てんだか。」

炭治郎「全てこの汽車の中で、ですよ。」

気まずそうな、恥ずかしいようなそんな匂いが
炭治郎の鼻を掠めた。

焰「…………俺、初めて気づいてもらえた。」

そうポソリと、呟く焰。
どこか嬉しそうな表情はその場にいた者の言葉を呑み込ませた。

焰「もう、すこし………話していたかった、が………
そろそろ、限界だ……。…寒い、羽織。」

羽織を抱き込むように自分にかける焰。
目から生気が失われていく。
炭治郎、伊之助、煉獄が涙を溜める。

煉獄「こんな形で、知りたくなかった……。
ちゃんと向き合って知りたかった…君のことを。
面と向かって謝罪もさせてくれないのかっ……。」

焰「いーよ、別に…………。気味悪かったんだろ。」

炭治郎「もう少し頑張ってください……!
隠の人たちが来ますからっ…!(泣」

焰「生きたって死んだって、俺の存在価値は…変わらない。」

伊之助「なぁ!俺と勝負してねぇだろ……!死ぬんじゃねぇよ!!(泣」

焰「約束、してない……。」

閉じられていく瞳、霞んでいく視界。

焰「……じゃあ、な…。」

焰は朝日と共に、息を引き取った。

炭治郎「うああぁぁああぁああ!!(泣」

煉獄「………っ!焰っ…………!」

伊之助「おいっ 起きろよォォォオオオ!(泣」

その場から三人の泣く声が響いた。
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