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星降る丘【NARUTO】

第18章 幸せ溢れる日



木の葉を発つ前日。
この日は先輩も休みを取ってくれて、持っていく荷物も出来上がっていたから、あとは2人でのんびり過ごす予定になっていた。
三代目の許しを得て(ものすごくビックリされたけど)わたしたちは婚姻届に判を押し、夫婦になった。
結婚式は、時間がないし、照れ臭いからいいよねと2人で決めて、でも結婚指輪だけは欲しくて、宝石屋さんに無理矢理頼んで急ぎ作ってもらった。

寝転んだベッドの上、わたしの薬指と、くたりと投げ出された先輩の薬指には、艶を消したシンプルな白金の指輪がはまっている。
今までアクセサリーなどは一切しなかったから、まだ慣れない微かな違和感が愛おしい。
幸せな気持ちで2人の手を眺めていると、先輩の手がわたしの手をギュッと握る。

「…おはよ」

「カカシ先輩、おはよ…」

ぷにっと唇を人差し指で押されて言葉が止まる。

「カカシ、でしょ?」

「あぁ、またやっちゃった!!」

わたしが暗部を抜けたとき、先輩と呼ぶことや、敬語はやめようと決めたのに、長年の呼び方や話し方はなかなか直らなくて、間違えるたびにカカシに笑われてしまう。

「カカシ、おはよう…」

照れながら改めてあいさつすると、頭を優しく抱き寄せられ、唇が重なる。
唇が離れ、おでこをコツリと合わせると、「もう一回呼んで…」とカカシが吐息で囁く。
わたしは、寝起きの少し掠れた声や、下にホクロがある色っぽい唇に釘付けになりながら、請われるままに「カカシ…」と呼ぶ。

「ふふ、サクに名前呼ばれるの、好き。
もー1回…」

「カカ…」

唇がまた重なり、名前を最後まで言うことができない。
先輩の温かい手のひらが、わたしの首、鎖骨、脇腹、と体の線を撫でていく。
ゾクゾクする感覚に、キスの合間に「ん…」と声が漏れると、それを合図にするように舌を絡められ、口づけが深まる。

最近の私たちは、暇さえあれば身体を重ねていた。
離れる前に、お互いのすべてを刻みつけるように、何度も、何度も…。

唇を離すと、いつの間にか覆いかぶさるように体制を変えたカカシが、愛おしげにわたしを見下ろす。
愛しくて、手を伸ばしてギュッと抱きつくと、カカシが首筋に唇を落とす。

「ん…」

這い上がる快感に身を捩ると、さらに追い立てるように、服の中に手を滑り込ませたカカシが、柔らかな部分に触れ「あっ…」と声が溢れてしまう。
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