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星降る丘【NARUTO】

第17章 星空のプロポーズ



最近、サクの元気がない。
元々表裏があまりなくて顔に出やすいのだが、落ち込んでもすぐに回復するのが常で、こんなに長く沈んでいるのは珍しい。
もちろん表面上は平静を装っているのだが、ふとした時にため息をついたり、ぼーっと一点を見つめて考え込んだりしている時間が増えた。

今も風呂に入り、あとは寝るだけなのだが、見るともなしテレビの前のソファで膝を抱えながら、心ここに有らずだ。
明日の天気予報が終わったタイミングでオレはテレビのスイッチを切る。
しかしサクはそれにさえ気づいてない。

「サク、そろそろベッド、行かない?」

顔を覗き込むように目の前で呼ぶと、「わっ!」と驚いた顔のサクと目が合う。

「あっ!はい!
寝ましょう!!」

ピシッと立ち上がったサクに苦笑しながら、洗面所に向かい、2人並んで歯磨きをしてベッドに入る。
狭いシングルベッドで抱き合うように横になると、サクのトク、トク、という規則的な鼓動を感じる。
いつもはそのリズムがオレを眠りに誘うのだが、最近のサクの様子が気になって、今日はなかなか眠気がやってこなかった。
聞いて、みようかな…。

「…ねえ、サク、もう寝た?」

腕の中で目を瞑っていたサクが、眠そうに目を開ける。

ああ、今日はもう話せる状態じゃないね…。

問いかけるように見上げてくる小さな頭をそっと撫でる。

「明日、サクも休みだし、天気も良さそうだから、久しぶりに秘密基地行かない?」

「いいですね。せっかくだし、サスケとナルトのと一緒に、わたしたちの分もお弁当詰めて行きましょう。」

目を細めと嬉しそうにサクが笑う。

あれから一年、サクはサスケと、サスケにお弁当を作ってることを知った三代目に頼まれて、九尾の子供にもお弁当を作り続けている。
それだけじゃなく、一緒にごはんを食べたり、修行を見てやったりして嬉々として世話を焼いているのだ。
最初は君付けだった2人の名前もいつしか呼び捨てになり、それなりに仲も深まっているようだ。

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