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星降る丘【NARUTO】

第16章 サスケ



イタチによるうちはの大虐殺の後、慌ただしく毎日が過ぎ、オレは21、サクはもうすぐ20歳の誕生日を迎えようとしていた。

風見鶏の家に行った後、オレは早々にサクの部屋に移り住んだ。
住むのをサクの部屋に決めたのは、単にオレのほうが荷物が少なくて移動が楽なのと、サクの部屋の方が広かったから。
あと、殺風景なオレの部屋より、生活の匂いがするサクの部屋がオレは好きだった。

昼ごろから降り出した糸のような細かい雨の中、暗くなった道を家に向かって急ぐ。
サクは夕方には任務を終えて、今はもう家にいるはずが、曲がり角を曲がり、いつもの癖で部屋の窓を見上げても、部屋の電気は消えていた。

買い物でも行ったかな?

鍵を開けて部屋に入ると、案の定部屋は真っ暗だ。
でも、玄関にはサクの濡れた傘と靴が置いてある。

「サク?」

パチリと部屋の電気を付けると、モゾ…とベッドの布団が動いた。

「あ、先輩、お帰りなさい…。」

いつもより弱々しいサクの声。
オレはベッドに近づき、屈んで布団の中で丸まるサクと目線を合わせる


「大丈夫?
体調悪いの?」

ベッドの横に座りサクの顔を覗き込む。
少し顔色が悪い。

「あ、ちょっとお腹痛くて…。」

「え?寝るくらい?
病院、行く??」

「あっ大丈夫です!
寝てたら治るから…。」

そこでサクがなぜか少し頬を赤く染める。
不思議な顔をしたオレに気付いてサクが遠慮がちに告げる。

「えっと…、生理痛…なんで…。」

「あ、そ…か。」

「はい…。」

自分でも間抜けな返事をしてしまう。
男所帯で育ったオレは、知識はあっても、実際そうなったときに何をすべきか想像もつかない。
辛そうにくるんと背中を丸めてベッドに横たわるサクの頭を撫でる。

「なんかオレにできること、ある?」

分からないなら聞くしかない。
するとサクがふにゃ、と力なく笑い、頭を撫でていたオレの手を両手で包んで自分の顔に近づける。

「ありがとうございます。
誰かと一緒に暮らしてると、こういう幸せもあるんですね。」

嬉しそうに笑うサクの頬を指先で撫でると、猫みたいに自分から顔を擦り寄せてきた。
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