第3章 2話
相「んで?
どーだったんだよ、焦凍君との年越しは」
『な、なんで兄さんが知ってるの!?』
相澤家に少しだけ顔を出してみれば、一足先に帰ってきていた兄にそう言われは誰にも言ってないのにとあわてる。
相「お前・・・あれでばれてないと思うなら重症だぞ?」
『え!?そんなにわかりやすかった!?』
相「まぁみんなも何かあるんだろうなとは思ってたみたいだが、さすがに男がらみっていう確信はもってなさそうだったな」
『男がらみって・・
そんな期待されるようなことはなにもないよ・・・///』
逃げるように自分の部屋に行こうとするの顔が少しだけ赤かったので、相澤がかまかけのつもりで”告白でもされたか?”と聞けば、は何もない所で転んでいた。
相「あ、そう」
『な、なにも言ってないでしょ!?
何が”そう”なのよ!!///』
態度に出過ぎなに”別に”とだけ返し、携帯をいじりはじめる。
相「どうせお前のことだ
まだ個性のことも話せてないし、告白のことも断ったんだろ」
まるで見ていたかのようにお見通しな兄。
興味ないようなふりをしてはいるが、一応それなりに心配はしているようだ。
『・・・盗聴器とかつけてるんじゃないでしょうね』
相「そんなことしなくても大体わかる」
『はぁ・・・まぁあってるけどね
だって相手中学生だよ?』
相「お前もついこの間まで高校生のガキだったじゃねぇか」
『個性のことも言えてないし』
相「それは気にし過ぎだ
話を聞いてる限りじゃお前の個性のことを話しても気持ちはかわらないと思うぞ」
『・・・そうかな』
少しうつむきながら無理をして笑うの頭に相澤がぽん、と手を置く。
『けど…まだ言えてないこともあるんだよ』
相「それは…いずれバレんだろ?」
『そうだけど、今はまだ決着着く雰囲気ないし…』
少し前に知った焦凍の為にしていること。
それを聞いた時学生時代に頑張っていたことも、急に傷が増えたことも全て合点がいった。
相「それをお前のけじめにすんなら俺は何も言わねえけど、自分の気持ちに嘘つき続けても辛いだけだぞ」
『わかってる
…やっぱりこの個性嫌い』
相「変に苦労性だよな、お前って」