【カードファイト!ヴァンガード!】 ~クレイの神子~
第2章 転校初日
キーンコーンカーンコーン__。
教師「遅いわね…」
教師が高校の昇降口で転校生を待っているが、予鈴が鳴っても来る気配は無かった。
教師「HRがあるから、そろそろ教室に行かないといけないのだけど…」
バタバタバタ__!!
ナイト「すみません、遅刻してしまって!」
ハルカ「はぁ、はぁ!ごめんなさい!」
急いで走って来たにも関わらず、ナイトは息も切らしていない。それに比べてハルカは、ゼェゼェと肩で息をしていた。
教師「やっと来たわね。転校初日だから今日は大目に見てあげるけれど、次からは気を付けて下さいね?」
ハルカ&ナイト「「は、はい…」」
にこやかな笑顔で注意する先生だが、眉間に皺が寄っていた。その笑顔は何とも言えないスゴミがある…。
教師「では、クラスに紹介するので着いて来て下さい」
もう他のクラスではHRが始まっているらしく、廊下には誰もいない。当たり前だ。今ここで見つかってしまったら、また先生は眉間に皺を寄せながら注意することだろう。そんな事を思っていると、3年生の教室の前で立ち止まった。
教師「声を掛けるまで、ここで待っていて下さいね?」
それだけ言うと、先生はもう皆集まっているであろう教室の中に入って行った。
ハルカ「ごめんね?ナイト。結局遅刻になっちゃって…」
ナイト「別に、気にする事は無いさ。ハルカを置いて先に来ても、無事にお前が辿り着けるか気になって授業どころじゃなかっただろうし…」
ハルカ「うぅ…」
そうなのだ。ハルカは方向音痴で、慣れてる場所以外では100%迷子になってしまう。高校生にもなって情けないと自分でも思う…。
ナイト「それよりも、体は大丈夫なのか?」
ハルカ「うん、今のところは。ありがとうナイト」
ナイト「あ、ああ…っ」
お礼を言われるとは思わなかったのか、ナイトは照れ隠しに顔を背けた。僅かに顔が赤くなってるのが見えてるのは秘密にしておこう。