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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第6章 焦ったくて歯痒くて




マネージャーになって早くも2週間。
めまぐるしく過ぎる時の中でも、流川との1on1だけは変わらずに行われている。


「ほらほらほらっ!女相手だからって、手ぇ抜いてんなっ!」
「抜いてねぇ。」
「じゃー、それがおまえの実力だな。」
「…む…。」


キャプテンたちが集まり始めて、部活が始まる時間。


「あー、疲れた。」
「お疲れさま。」
「彩子さん…。あの男は、私の事を女だと思ってないっすよねー。」
「なんて言いながら、手を抜いたら怒るくせに。」
「まぁ、そんなんですけどね。」


バカ花もバスケ選手らしくなってきた。
彩子さんと2人で基礎を叩き込んだからなのか。
放課後のんびりライフを楽しもうと思ったが…、ド素人を育てていくのもなかなか面白い。


「むぅ…。この天才が基礎ばかり……。」
「基礎が重要なのよっ!桜木花道っ!!」
「しかし、天才…。」
「なにも我慢してるのは、あんただけじゃないのよ。」
「彩子さん…。」


面白いけど…、もっと、もっとさ………。


「いーい?ちゃんだって我慢してんだから、あんたも頑張んなさい。」
「が我慢…?」


別に、あいつだけのマネージャーなんて望んでない。
でもこんなに近くにいるのに、あいつと関われるのは1on1の時だけだ。
あいつの事が知りたいと思ったから、マネージャーにもなった。
名前も覚えてもらった。
でも、距離が縮んだのかはいまいち不明。


親衛隊なんかよりも近くにいるのに、焦れったい。


知り合い以上、友達未満がとても歯痒い。




















「おまえねぇ。それは欲張りなんじゃねぇのか?」
「よーへー、だってさぁ!!」
「相手はあの流川だぜ?名前覚えてもらって、1on1の相手ができるだけでも大した進歩だぞ。」
「そうなんだけど…。」
「バスケ選手としてはその向上心が必要だけどな。」
「へ?」
「恋に焦りは禁物だろ?まだまだ時間はあるんだ。じっくり行けよ。」
「う~…。」
「(恋愛音痴だった幼馴染の恋愛相談を聞くなんて、思ってもみなかったな…。)」




















焦ったくて歯痒くて
もっと、もっと君に近づきたいと言うのはわがままかですか?




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