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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第1章 揺れ動く気持ち




「おまえとは、ある意味縁がないなぁ。」
「洋平とのこれ以上の縁なんてごめんだね。」
「釣れねーヤツ。」
「褒め言葉だろ?」



幼馴染である水戸洋平とこんな会話をしたのは少し前。
それは高校に入学し、クラス発表を見た時だった。
同じ和光中で仲の良かった幼馴染を含める男たちと、クラスが別れたのだ。
それでも私はいいと思ってる。


だって、今のクラスにだって…、気になる……、ヤツは………、いるし。










-1年10組-


また寝てるよ…。


学校と言うところは、背の高い人間を後ろに追いやる傾向がある。
ここも例外ではない。


私の身長は、女としてはデカすぎる170㎝。
まぁ、周りにいたやつらもデカかったから、それほど目立ちはしなかったが…。


そして一番窓側の席で、気持ち良さそうに惰眠を貪るこの男。


流川楓


バスケ部所属の187cm
富ヶ丘中出身で中学MVP
バスケをがじる同年代だったら、誰でも知っているヤツ。





少しあいた窓から流れ込む春の風。
その風が揺らす艶やかな黒髪。
普段のまっすぐな視線も良いが、今は瞳が閉じられ長いまつげが頬に影を映す。


手を伸ばせば届く距離。
触れてみたいと思うのは、色白な素肌がきれいだから。
ニキビ一つない肌に触れても良いだろうか…?


授業中と言うことも忘れ、手を伸ばしてみる。






15センチ





10センチ





5センチ





縮まる距離がぴたりと止まった。
いや、止められたんだ。


「…おめー、人のこと見すぎ。」
「る…かわ………。起きてたのか…?」
「起きた…。」


あと5センチのところで流川との視線がからんだ。


「悪い…。起こした…な……?」
「別に。おめーが謝ることねー。」




手を伸ばせば触れられる距離に、流川はいる。
去年までは、遠い存在だったのに。


隣どうし、少しずつ話すようになって
ますます気持が言うことを聞かなくなる。


今の関係を壊したくない。
だから友達でいるべきだと思う。


でも、でも……。





君をもっと知りたい…。




















揺れ動く気持ち
これは恋かな…。




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