第9章 君の笑顔
ボクは難しい恋をした。
それは、絶対に叶う事のない恋だった。
「エド~!!」
だってボクの好きな人は…。
「…。」
兄さんを好きだから。
旅に加わる時も、加わってからもの世界は、いつも兄さんが中心だった。
そりゃぁ、ボクのことも忘れられた訳じゃないけど、やっぱり兄さんが一番だった。
彼女のどこに惹かれたのかと聞かれれば、ボクは笑顔と答える。
だって本当に笑顔が素敵だから。
でもの一番の笑顔は、いつだって兄さんに向けられていた。
それでもいいと思った。
失恋しても、が幸せそうに笑ってくれればそれでいいんだよ。
君の笑顔
ボクは兄さんを愛している君を好きになった