第2章 ぎゅーっ
ぎゅう。
「………さん…?」
ぎゅぅぅぅぅ。
「苦しいんだけど。」
背後から近寄って抱きついてきて、無言って酷くねぇ?
しかも、若干苦しいし。
「どうした?」
「………さみしい。」
小さく、小さくつぶやかれた一言で、自分行いを振り返ってみる。
ここ一週間、図書館に通い続け、文献を読みまくってきた。
あぁ、そろそろ限界か。
「悪かった。のこと……。」
「分かってる。邪魔したくなかったんだけど、だけどね……。」
「さみしいかったんだよな。悪かった。」
ぎゅう。
手に持っていた文献を横に置いてを抱きなおす。
自分よりも小さいけど、大きいぬくもりを抱いて思ったんだ。
ぎゅーっ
オレ、このぬくもりを、どうして一週間も忘れてたんだろう。