第2章 *出会い
「お?顔真っ赤にしちゃって~!恋?恋かね尚樹くん??」
……むかつく声で我に返った。
翔太を見ると、案の定、にやつきながら僕を見ている。相変わらずむかつく野郎だ。
そんなむかつく野郎に僕はパンチを喰らわせ、何食わぬ顔で学校に向かう。
僕は、中学で(これでも)ボクシングをやっていた。
だから、それなりに痛い……とは、思う。
しかし、翔太の回復は早い。……もう隣に来やがった。
「けどなぁ……真波は、性格わっるいぞ~?やめといた方が身の為だって」
そういう翔太を、僕ははじめて気味が悪いと思った。
ーーどうしてコイツは、初対面の筈のあの子のことを知っているんだ?名前だけでなく、性格まで。
そんな僕に気が付いたかのように、翔太はにやりと笑う。