第2章 *出会い
「青春だーーーッ!」
僕の隣で叫ぶ翔太と、僕は少し距離をとって歩いた。
……さっきから、痛いからね。
道行く人の、視線が。
「おい尚樹ー、お前は嬉しくないのかぁ?」
そう言って、僕と歩幅を合わせて歩く翔太。
今日は、高校の入学式である。
高校生になっただけで浮かれる僕の親友に、僕はどうやら三年間付き合わなければならないらしい。
そう考えると、頭痛がした。
「別に、高校生になっただけじゃないか…」
溜め息を吐くと、
「だけ!?青春だぞ、青春の始まりだぞ!?」
………どこまでも五月蝿い奴だ。